『超動』  2003年 経営方針

■『動全』から『超動』へ 
  『動全』の元に昨年一年間をまっしぐらに進んできた。周囲を見渡すと、多くの経済指標が芳しくない。それだけでなく、人々の心の指標があるとしたらこれもおそらく芳しくないものになっている。閉塞的な社会を切り抜ける唯一の方法は、動きだと思い。『動全』を推進してきた。間違いはなかった。その対象が手であれ、足であれ、頭であれ、心であれ、おおよそ動かせるものは徹底的に動かす必要が生じている。しかし、この異常な時代を切り抜けるためにはさらなる覚悟を要求された。『動全』を越えた『動き』すなわち『超動』が必要になった。2003年を持って、『超動』元年とする。

■『超動』の対象は全てもの
  現場の倉庫や、職場の道具箱、本棚や、車のなか、さらに、頭の中にあるもの、心の中にあるもの等々全てを、この際動かしてみることである。それも、これ以上の動きはないという『超越的』な動きをもって対応しなければならない。この動きは2次元的、3次元的、多次元的な空間で考えなければならない。

■ 重要なポイントはスピードである。
  『超動』の真髄は動きのスピードにある。『超動』の別の表現をすれば『超スピード』ということである。『超スピード』を出すためには
   ■先が読めていること、先が見えていること
   ■ハンドルが良く切れること
   ■ブレーキが良く利くこと
   ■エンジンに粘り、馬力があること
   ■ギヤーの選択が良いこと
   ■潤滑油が良く利いていること
   ■車体が流線型であること
   ■車体が軽いこと
等々が、重要なポイントになる。一見、自動車の話みたいであるが。比喩的には全く車を考えて頂いても良い。自分の取り組む課題の遂行スピードを上げるときの、エンジンは何か、潤滑油花にか、ギヤーは何か−−−−と考えて頂ければ良いのである。

■ 身軽さとパワーそして知力
  全ての仕事をこなすとき、重要なのは身軽さとパワーである。これに知力を加味すれば完璧である。しかし、簡単そうで大変難しいのがこのスピードの実現である。スピードは我々にとって多大な効果をもたらす。心の余裕である。忙しい今日の社会で自分の仕事を振り返る余裕を是非設けなければならない、そのためには、スピードを超スピードに格上げして、時間を捻出しなければならない。


■ 品質を保持しつつ『超動』
   今や品質の悪い商品は売れない。デフレ時代であっても品質は最高のものが求められる。品質はチェックの信頼性の結果である。チェックには時間を要する。時間はスピード化で捻出するものである。スピード化には個人や組織の技術の向上が不可欠である。

■ 『超動』は技術立社の羅針盤、空気
   日本は元々勤勉と技術でこの地球上での存在感を維持してきた。我社も全く同様である。多くの日本の企業がそうである。技術立国が叫ばれる今日、我社にとってはこれをそっくり技術立社と置き換えて見たい。実は『超動』は技術立社のための羅針盤であり、企業の空気とならなければならないキーワードなのである。一人1人が各自の分野で新幹線の『のぞみ』になりきることがまず第一歩であり、出来る人は、リニヤモーターカーにもなってほしい。『超動』が生み出す余裕が絶大な効果を多面的に生ずると確信する。