松屋産業株式会社
代表取締役 松塚 展門
■ はじめに
私の生き甲斐の一つは、世界で初めてのものを造ることである。『もの』といっても形あるものばかりではない。最近は、造語にも凝っている。
■ 『タイタニック』
さて、先日今話題の『タイタニック』を鑑賞した。理由は、二つある。一つは、非常に良い映画だということである。もう一つは、かなりの部分がＣＧを駆使した、映像でなかなか実写と区別ができない程の出来栄である、という理由から、我が人生でも久々に映画館に足を運んだ。
■ チャレンジ
ＣＧ製作者の弁では、ＣＧと実写の区別は素人には見分けがつかないだろうという。たしか、ＴＶでそのように放送していた。ところで、ＣＧの専門家を自認する私にとって、今回の鑑賞はチャレンジでもあった。従って、どの部分がＣＧであり、なぜそれがＣＧであるのかを、一つひとつ分析をしながら、約３時間を全く居眠りもせず見入った。
■ 最高峰の映画
噂のとおり実に感動的な内容であった。とりわけ、イントロの音楽には引き込まれるようであった。また、ストーリーとカメラワークにも堪能した。３時間があっという間であったのは作品の優秀性のためである。
■ 『海』
ところで、映画の中で『海』は主役にも匹敵する重要性で登場している。部分的には『海』は『水』として表現されている。ＣＧの腕の見せ所もこの点が勝負どころであった。私はここに焦点をおき全精神を集中させた。
■ 分かった！！
私は、違和感を覚える部分部分を丹念に考察し結論を得た。『ドライウォーター』『乾いた水』ととっさに思った。自然界ではあり得ないものを造り出すときそこには、やはり新しい感覚が呼び起こされる。私は『タイタニック』を見ながら自分の手を液体窒素に突っ込んだときのことを思い出した。これは『ドライウォーター』『乾いた水』だと。
■ おわりに
海原を切り進む『タイタニック』の舳先が全く濡れないのがやたらと気になりながらの鑑賞ではあったが、反対に私の目頭は潤むばかりであった。作者は、それを見越していたのだろうか・・・。おかげで、また『ドライウォーター』と言う新しい言葉を造った。世界最先端のＣＧを岩国から発信しようとする野望は健在であった。
