わたしの発言
錦帯橋は世界の文化遺産です
『技術の創造と改革的伝承』・・・若き技術者たちへの賛歌
松屋産業株式会社
代表取締役 松塚 展門
■ 究極の価値をそなえた文化遺産・・・・・錦帯橋(山口県岩国市)
『技術の創造と改革的伝承』を今日に伝えるものこそ究極の価値をそなえた文化遺産と言える。『技術の創造と改革的伝承』に支えられた錦帯橋は、今日の日本を救う重要なキーワードとなるような気がしてならない。真の創造性と革新的技術が今求められている。
■ 身近な文化遺産
錦川の清流とともに少年時代を過ごした私にとって、錦帯橋はふるさとの情景を語るとき、真っ先にあげなければならない象徴的建造物である。多くの岩国人は、日本の誰でもが錦帯橋をご存じだと思っている。しかし、現実はなかなかきびしい。おおざっぱな考えだが、岩国からの距離が遠くなるほど、その知名度は低下しているようである。この責任は岩国人にある。あまりに身近すぎてその価値が認識されていない。もっともっと、錦帯橋の真の価値を知ってほしい。
■ 創建者の英知と情熱がほとばしる文化遺産
錦帯橋は、良き指導者に恵まれた若き技術者の英知と情熱のたまものである。古来錦帯橋は木造の技術のみが異常に誇張されていたが、私はそれを覆した。結論から述べれば、錦帯橋は『木と石と鉄の芸術』である。私には、木と石と鉄の特性を生かす総合的な術を世界で初めて獲得した創建者たちの熱い情熱が分かる。洒落ではないが、さらにつけ加えれば、錦帯橋は『気と意志と哲の芸術』でもある。
■ 身近な国際交流の証・・・・・・・・・・錦帯橋には姉妹橋がある
錦帯橋創建にまつわる中国生まれの僧独立と吉川氏との心温まる交流は有名である。これだけでも国際交流であるが、決定的な事実を発見した。1589年、中華人民共和国の杭州市の西湖に錦帯橋と命名された橋が造られていたのである。岩国の錦帯橋が1673年の創建であるから、これを遡ること84年である。同名の橋が偶然に出来たと言うより、何らかの交流があったと考えるのが一般的である。ちなみに僧独立は杭州市の出身である。今日、両錦帯橋の間では盛んな交流が行われている。
■ 錦帯橋は世界の文化遺産
国境を越えて人類の尊い偉業を称えるのが世界の文化遺産であるならば、そしてそれが今後の世界の文化の発展に寄与するものであるならば、錦帯橋は世界の文化遺産である。
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若き技術者の健全な成長を願うと同時に技術に対して正当な評価が与えられますように・・・・・。合掌