『真承』
2001年の経営方針は『真承』(しんしょう)といたしました。
おそらくどんな辞書を引いても存在しない単語です。私があの天下の名橋『錦帯橋』から教わりました。
意味は、読んで字のごとくです。すなわち『真』を『承』わると言うことです。『真』は真実でも真髄でもまた、真剣にでも、表現は様々ですが対象とするテーマに合わせて、最もふさわしい『真』として下さい。
西暦2001年を迎える、すなわち21世紀を迎える大きな節目のときに、私個人として、また企業としてその根幹に置くべき魂の羅針盤は何かを自問自答したとき私の頭にふっと浮かんできたのがこの『真承』です。
話は飛躍しますが、この世の中は『自然』と『人間』と『時間』との様々な関わりで出来ています。人間にとって大切なことは絶えず『自然』と『人間』と『時間』に対して的確にその『真』を『承』っていれば、おおむね良好な営みが出来ます。しかし、現実はなかなか難しいために、理想どおりにならないことがあります。
自然は地震や台風さらには環境破壊によって、私たちにその猛威を見せつけます。21世紀は今まで以上に自然との共生が叫ばれますが、これは『自然』の『真』を十分『承』ることなしには実現しません。
また、21世紀前半は人類史上初めての超高齢化社会との戦いとなることは避けられません。『時間』と言う概念は複雑ではありますが加齢による老いを考えればその『時間』的変化の『真』をいかに『承』るか、と言うことの重要さが十分理解できます。
おわりになりましたが、人間が『人間』の『真』を『承』ることの難しさです。これは人類の永遠のテーマかもしれません。地球上の様々な地域で今もなお争いが耐えません。商売をさせていただき一番大切なことは、お客様の求めておられる『真』をいかに的確に素早く『承』るか、と言うことです。もちろん、『承』った事柄を無難にこなせる技術を絶えず磨いておくことは言うに及びません。
世の中には、伝承と言う言葉があります。『承』って『伝』えることですが、元々真実を『承』っていない人には、次の人へ『真』実を確実に伝えることはできません。『真承』と言う言葉を『錦帯橋』から教わったと申し上げました。『錦帯橋』創建の英知の『真承』が今世紀の架け替えに求められています。
2001年『真承』で頑張りましょう。